2009.06.28 Sunday
報告:「ブラジルから来たおじいちゃん」
タイトル | 映画上映&監督によるトーク 「ブラジルから来たおじいちゃん」 |
講 師 | 栗原奈名子(映画監督) |
と き | 2009年6月28日(日曜日)午後1時30分から3時30分 |
ところ | つながれっとNAGOYA 交流ラウンジ |
プランなごや21 | 目標6:国際社会における男女共同参画 |
コーディネーター | 中村 奈津子 |
センターの周年記念事業として毎年行われる「つながれっとまつり」の2日目、6月28日(日)午後1時半〜3時半まで、映画上映&監督によるトーク『ブラジルから来たおじいちゃん』を開催しました。当初、定員を50名としていましたが、予想を上回る参加があり、69名の方がご来場くださいました。
上映に先立ち、監督の栗原奈名子さんからご挨拶が。ご自身が学生のときに父親にブラジルへ連れて行ってもらった体験と「おじいちゃん」こと紺野さんとの出会い、そして再開をして映画を撮ることになったきっかけ、さらには紺野さんと一緒にブラジルと日本を往復しながら過ごした時間のことなど、撮影にまつわるエピソードをいくつかお話いただきました。
約60分の上映後は、5分の休憩をはさんで栗原さんのトークへ。その前に会場の皆さまには、ご自身のイスを移動して会場全体に丸い輪を作ることにご協力いただきました。この形態でのトークは、イベント直前に栗原さんからいただいた突然のお申し出によるもの。司会者は予想外の展開に、少し緊張してのお願いでしたが、皆さまの素早い対応で輪ができていく様子に、嬉しい驚きを感じました。
栗原さんのトークでは、紺野さんが今年の5月に亡くなられたことに触れ、彼の困難を乗り越えてきた人生と、社会の在りように関心を持ち続けた後半の生き方に、栗原さん自身が撮影を通して大きな力をもらったと語られました。そして映画を通して、彼の生きる姿勢とともにブラジルと日本とのよりよい関係について考えるきっかけを、今後も多くの人に提供していきたいと話されたことが印象的でした。短い時間ながら、参加者からの質問の一つ一つに丁寧に答えてくださり、イベント終了後には、彼女へ直接お声掛けをする参加者の長い列ができたほど。栗原さんと参加者の方の直接の交流の様子を、主催者として嬉しく眺めました。
「社会がうす暗く感じてしまうようなニュースがあふれる時代だからこそ、できるだけ元気が出るメッセージを発信できる作品を作りたい」という栗原さん。その姿勢には、第1作の『ルッキング・フォー・フミコ』(1993年制作)から一貫した、栗原さんの自然体で前向きなお人柄が感じられました。これからのご活躍を、期待しています。
(中村奈津子)