2009.10.18 Sunday
報告:ネットでつながる女性たち〜インターネットを味方につけよう!
タイトル | ネットでつながる女性たち 〜インターネットを味方につけよう! |
講 師 | 川北秀人(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表) 牟田和恵(NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長、大阪大学大学院教授) 吉野真佐代(日本財団 CANPAN運営事務局 公益ポータル担当) |
と き | 2009年10月18日(日曜日)午後2時から4時30分 |
ところ | つながれっとNAGOYA ICT室 |
プランなごや21 | 目標1−2:男女共同参画に向けての女性のエンパワーメント 目標5−2:女性の職業能力開発と就業機会の拡大 |
コーディネーター | 渋谷典子 |
10月18日(日)に開催された「ネットでつながる女性たち」では、川北さん、牟田さん、吉野さんという3人の講師のお話をもとに、講師と参加者のディスカションへと広がっていきました。
講師の方々の講演内容と参加者とのディスカッションの内容について、報告します。
第一部
■川北秀人さんの講演から
まず、「協働や寄付は、なぜ広がらない?増えない?」をテーマとして取り上げた。ITの進化(メール、ブログ、検索エンジン)により、発信は増えているにもかかわらず、情報が届いていない状況がある。その理由は、検索される社会へと変化しているからである。
一方、NPOは「情報の受け手の立場にたって、発信していない」という状況がある。
まずは、相手の立場から、考えてみることが重要である。さらに、市民(NPO)の団体に対しての信頼が重要となってくる。その信頼の基本は、次のような内容の情報開示である。
「団体基本情報」「目的」「主な実績」「定款」「事業報告書」「財務諸表」「毎回の活動記録」「集計・分析」など。
今後は、情報をどう出していくのかについて、自分が経験したことを、次世代が活かしていくことができる仕組みをつくることが求められている。
■牟田和恵さんの講演から
今年の6月にオープンしたWANのウェブサイトを紹介された。WANサイトのキーワードは、運動会と文化祭とのことで、さまざまな取り組みを行っている。
現在は、第1期の活動が開始されたばかりであるが、女性が必要としている確かな情報を掲載し、ウェブサイトの機動性を活かした活動ができるようになった。
具体的には、WANと日本学術会議との協働でロビー活動(男女共同参画の推進、別姓問題など)を展開(福島大臣、ほか女性の政治家へ)したり、選挙のときには政党へのアンケートを実施した。こうした活動から、市民の声が政治を動かすことができるという可能性がみえてきている。さらに、この機会を活かして社会を変える活動が展開できればと思っている。
第2期は、双方向性、見やすいこと、完全携帯対応を目標としている。今後は、機動性を活かした情報発信を継続する予定であり、日々、ユーザーからの意見や提案を聴きながら、進化している状況である。また、ウェブ上である利点を活かし、地域が離れていても活動を協力していくことができる。
なお、独立して運営されるが協力関係にあるP−WAN(政治を中心に動くサイト)として、姉妹サイトの立ち上げがあった。
現在、WANサイトは、寄付金・NPOの会費・アフィリエイト・グッズの販売で運営をしている。
■吉野真佐代さんの講演から
女性支援に関する団体の情報開示と他部門連携が実現すると女性市民にメリットがある。
「つながること起こること」をNPOのメリットへと展開することが重要である。
現状は、行政の情報だけでもつながる工夫があれば助かるのではないかと考えている。
出せる情報ではなく、見たくなるような情報へと意識的にサイトをつくることが必要である。具体的には、「ハットウ・オンパク」のサイトがある。
CANPANの仕組みを活用して、2009年度までに各地でポータルサイトが立ち上がっている。さまざまな分野の人々とつながることで社会的課題の解決につながる。
なお、CANPANはほぼすべてのサービスが無料であり、このように他のサービスを活用して、他の分野とつながっていってほしい。
第2部:質問とディスカッション
参加者が自己紹介をしつつ質問をしていく形式で、ディスカッションが進められた。参加者からの質問は、次のとおりであった。
●ネットではない情報(対話、口コミなど)とネット情報の関係性は?
●ネット上の見せ方は?アイデアがあれば知りたい。
●CANPAN のポータルサイトは、どのようにエントリーできるのか。
●見える情報をどのようにつくっていくのか。携帯サイトの取り組み事例は?
●サイトの対象(ターゲット)の絞り方は?
上記の質問に対して、川北さんからコメントがあった。
情報を編集するチカラが重要であり、情報を塊にしてカスタマイズされた情報とすることが求められている。情報量ではなく、人間が行う編集という作業が大切になる。
ターゲットの絞り方は、自分たちにとって最も大切な対象者について白書を作成するなど、社会調査をすることから開始することも重要である。
最後に、主催者から勉強会の開催について提案があり、賛同の声が多数あり、まずは勉強会をとおしてつながていくこととなった。