つながれっとクラブ・イベントジャーナル

「つながれっとクラブ」は、名古屋市男女平等参画推進センター(つながれっとNAGOYA)指定管理者 NPO法人参画プラネットが運営しています。
つながれっとNAGOYAで毎月開催される指定管理者 NPO法人参画プラネット主催のイベントの様子をみなさんにお届けいたします!
(当サイト中、意見にわたる部分については筆者の個人的意見であって、参画プラネットの見解を表明したものではありません)
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小川眞里子 講演会 感想:「ジェンダーの視点で科学をさぐる」
「ジェンダーの視点で科学をさぐる」というテーマでの3時間。
それは当初の予想を良い意味で裏切り、わたしにとって、とても刺激的な、
そして物事を色々な視点で深く考えさせられる時間になった。

前半は、「科学分野の現状」を、ジェンダーという切り口で分析したお話。
「科学立国」、あるいは「技術大国」として名を馳せている日本に、
どうして、女性の科学者、研究者が圧倒的に少ないのか。
他国とデータを比較したときの、その割合のあまりの少なさには驚いた。
(東欧では50%を超える国も。米国は約30%。そして日本は11.6%)
その後、数々のデータを見ていくうちに、
わたしはその状況に、社会的、文化的な背景の所在を強く感じ、
日本の働き方や制度にも大きな原因があると思わずにはいられなかった。
(これには文科省が、多額の予算を使って対策を取り始めているそうだ)

女性の科学者が増えることは、将来の人材確保の視点からも、
科学知識の偏在(男性の視点が主流であることからの)を解消する視点からも
とても重要なのだと伺った。
なにより、女性の能力が活用されていない現状は、単純にもったいない。
(欧州では、大学・大学院入学を経て、教授に至る人材の性別比をとりあげた
「ハサミの図」と呼ばれるデータがあり、それによると
大学レベルまでは、女性の方が進学者の割合が多く、しかも成績も良いのだ。
それが、大学院へ進学する時点で数値が入れ替わり(つまりグラフがクロスし)、
そのまま差が拡大することでハサミに見えるのが名前の所以だという。
それを見ると、女性の能力が何らかの理由で活かしきれていないのは明らか。)

小川さんのお話に、わたしは一つ一つ納得したり、驚いたり。
「もと文系」の、しかも、およそ今から科学者になるとは思えないわたしには、
今回のテーマが、自らのこととして腑に落ちるかな、という疑問もあったが、
自らのこととして、あるいは今いる子どもたちの未来を考える視点としても、
とても大切なテーマだと実感した。

そして、話の後半は、こちらもジェンダーの視点を切り口に、
小川さんの専門でもある「科学史」に見る、社会的・文化的な背景の解説へ。
「18世紀まで、性別はひとつ(そしてジェンダーが2つ)だとされていた」
という、解剖図を引用しての興味深いお話から、
「人間の言葉は100%客観的ではありえず、科学的な記述においても
そこに必ず文化的、社会的な主観が入り込むものであること」を例証してのお話まで。
内容もさることながら、「科学」をテーマにしつつ、
科学(理系)、史学(文系)という境界を越えていることを新鮮に、面白く感じた。
「理系・文系」「男性・女性」などと物事に境界線を引くことで
失っていく豊かさや可能性もある。
そういうことも明確に示してくださった講演会だったと思う。
(中村奈津子)
| tsunagaletclb | 小川眞里子 講演会「ジェンダーの視点で科学をさぐる」 | 21:54 | comments(0) | - | - | - |









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